「高きに向かうは」


どうして僕たちは
上を見ようとするのだろう
バベルの塔を建てた祖先のように
空高くを目指そうとするのだろう

下を見るなと叱り
上を見ろと声高に諭す
多くの人たちよ

地面を見つめることは
そんなにも無意味だろうか
足もとを見つめることは

地表より深くに潜り
僕たちが生きるこの大地の
轟音を聞くことはできないのか
罪深き大地の侵略者に
それは許されないのか

しかしそれならば
この大地を生み出した
無限の空間に近づくことは
もっと許されないのではないか

それでも空に近づこうとするのは
やはりあの祖先のように
性懲りもなく
神に近づくことを夢見るからか

僕たちは