誰かの泣き声に君の声が重なる
ああ、懐かしい光景だね
ひたすらに歩き続ける君を追いかけるのは
本当はそんなに難しくなかったんだ
ただ、君がいつも僕の予想を超えていただけで
不安なんてものは一切無かったんだけれど


思い出す言葉があるんだ 君が知らない言葉
「僕はここにいる 幸せはここにある
 ……それだけで、いいじゃないか」
これは僕
僕の生み出した僕の形
君とは違う一つの形


誰もいなくてもいい 傷付けてもいい
側にいてよ 抱きしめてよ
どうして僕はこんなにも我が侭なの?
「人だから」なんて言葉では括りたくないんだ
ねえ 神様にだけはなってはいけないよ
気を付けて 忘れないで 見失わないで


ほら もう大丈夫 大丈夫
息を吸って 腹をくくって 目を開けて
それが君だよ これが僕だ
どこまでも変わらない 変わることのない
──これが僕だ それが君だ
何にも染められることない
だから これで良い
これで良いんだ


優しくいれば良いんだよ
優しくあれば良いんだよ
ただひたすらに 盲目に
それしか知らない振りをしたままで
生き続けていこうじゃないか



ほら 僕達はこんなにも不器用だ