言葉を取り払って
全てを犠牲にして
世界は滅びても
人はなお生きるだろう
寂しさと喜びの
真ん中にある哀しみを
愛しげに抱いたまま
全てを犠牲にして
全てを傷つけて
口だけの博愛主義で
人はいつまでも生きるだろう
ガラス細工の夢を砕き
子供達の希望を壊し
恋人達の睦みを邪魔し
天使の羽をむしり取り
悪魔の声を信仰し
けれど魔女狩りは行い
形だけの正義感に酔いしれ
人はどこまでも生きるだろう
何もかもを奪い
何もかもを否定し
誰一人愛せないと
そんな戯言を呟き
膝を抱える振りをして
世界を嘲笑いながら
誰も信じられないと言いながら
自分だけはいつも信じて
例えこの宇宙が滅びても
人は生き続けるだろう
こうして生きてゆくだろう
全てのものを奪い
全てのものを壊し
全てのものを求め
何も愛さずに
優しさも慈しみも知らずに
ただ自分だけを愛して
人は生き続けるのだ

生きるという意志の許で