熱い湯を頭から浴びた。
禊ぎの様に。
ふと、思う。
この流れに乗せて、
私の心はおろか、
この世界全てを洗い流せたら、と。
真実のみを、
世界に晒け出せたなら、と。
だが、思う。
その答えの辛辣さを。
偽りの重要さを。
それが、
私を生かす一つの要因である事を。
ああ。
人は何と、
脆い生き物なのだろう。
強かであるが故に。
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