熱い湯を頭から浴びた。

  禊ぎの様に。

  ふと、思う。

  この流れに乗せて、

  私の心はおろか、

  この世界全てを洗い流せたら、と。

  真実のみを、

  世界に晒け出せたなら、と。

  だが、思う。

  その答えの辛辣さを。

  偽りの重要さを。

  それが、

  私を生かす一つの要因である事を。


  ああ。

  人は何と、

  脆い生き物なのだろう。

  強かであるが故に。


                 (98,05,**)