僕らはいつも
愛とか優しさというやつに飢えていて
がむしゃらに手を伸ばしては
何も掴めないことに肩を落とすんだ

大切なものが目に見えないのなら
何を探して生きればいいんだろう
生きるために必要なものが多すぎて
ほんとうに大事なものが何だったかも覚えてない

けれど、ね。
君が一人膝をかかえ、涙をこらえ
誰にも聞こえないように紡いだ言葉は
きっとどこかに届いている
地球の反対側で眠る子供に
綿毛を飛ばすそよ風に
川辺に咲く小さな花に
すっくと立つ木々に
月に転がる石ころに
そして
もしかしたら僕にも

かなしいことを
ほんとうにかなしいと感じられる君が
とても素敵だと僕は思う