壊れた箱船の果てに人は何を見た?
誰かの歌声に耳を傾けるでもなく
どこまでも続く空に広がる翼 雲の様に白く青を染めてゆく

喧噪の中夢を手放さず 走ることが真実なら
言葉より確かな愛を探そう
「全てが嘘でもそれでもいい」と微笑み合いながら…

胸を突き刺す日差しを裸足のまま受け止めて
この世界を駆け抜けるためだけの靴を
探しに行くよ 明日への夢を共に見ていた仲間と
古びたカバン一つ、片手に……

失くしたものの数だけ強くなれるのなら
人は誰かを傷つけたりはしないんだろう
訪れた追憶の影ばかりを求め
僕らは大人になっていく

色褪せた記憶に口づけをして 甘い夢の時代にカギをかけて
愛する人に夢を問い 傷つく人に明日を問い
誰にも負けない確信を胸に
夕日を浴びて燃える海へと出航の鐘を鳴らせ
誰かの歌声に合わせ口ずさみながら


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