目を擦りながら起きあがる誰かの背中に
   「おはよう」と声をかける
   疲れた顔で眠りに入る誰かの背中に
   「おやすみ」と声をかける

   ああ、いつの間に、こんなにも
   声が聞こえなくなっていたのか
   ああ、いつの間に、こんなにも
   ものが見えなくなっていたのか

   消えてしまった優しさは
   あなたと共に生きる事だったと
   今更気づいても遅いと言うのに

   それでも「あの頃はよかった」と言える程
   僕は現在に失望してはいない
   例え全てが壊れてしまったとしても
   それでもなお、世界は続くんだろう

   痛みなど、そ知らぬ顔をして